経済コラム「日本経済 快刀乱麻」

Vol. 53 新幹線で景気ウォッチング

(2014年7月18日)

先日発表された6月の景気ウォッチャー調査は、現状判断指数が前月比2.6ポイント上昇の47.4となり、2か月連続で改善しました。この調査は、タクシー運転手やコンビニ、飲食店、中小企業などを主な対象としているもので、景気の実感を敏感に反映する調査として注目されています。

同指数の最近の動きをみると、消費増税直前の3月は57.9(前月比4.9ポイント上昇)でしたが、4月は41.6へと大きく落ち込みました。しかしその後、5月は45.1、そして6月が47.4と、2か月連続で上昇、景気が消費増税の影響による落ち込みから徐々に回復していることを示しています。

この調査のように、街角の様子を観察していると景気の変化に気づくことがあります。私の場合は東海道新幹線で景気ウォッチングをしています。毎週、新幹線で東京と大阪を往復していますが、4月以降、明らかに席がすいていましたが、最近は4月頃に比べると少し混んでいる車両が増えたように思います。

先日は新大阪からの帰りに東京行き最終便に乗ったのですが、グリーン車は2人席が窓側、通路側ともに埋まっている席が数多くありました。最終便はいつも比較的混んでいるのですが、グリーン車で隣の席も埋まるというのは、あまりなかった現象です。普通席もかなり混んでいました。

少し気になって調べてみたら、東海道新幹線のぞみの乗客数は4月は前年比1%増、5月3%増、6月3%増と微増だったのに対し、7月(9日までの実績)は8%増となっています。ひかりとこだまを合わせても4-6月の2%増から7月(同)は7%と、増加スピードが上がっています(JR東海調査)。

東海道新幹線の乗客数を年度別でさかのぼってみても(前述の月次調査とはベースが違いますが)、2007年度は前年度比4.1%増の1億5100万人と当時の過去最高を記録しましたが、リーマン・ショックの起きた2008年度は1.3%減、翌2009年度は7.4%減と2年連続で減少しました。その後は徐々に回復し、2013年度は4.0%増の1億5500万人となり、2007年度を上回り過去最高を更新しています。

このように見ると、新幹線の乗客数はビジネス、観光の両面で景気を敏感に反映していることがわかります。また7月9日までで8%増加というのは、かなり大幅な増加だということがわかると思います。よく景気に関するデータと実感が一致しないと言われることがありますが、新幹線の混み具合については、実感が数字で裏付けられたと言えそうです。

もう一つ、感じるのは外国人の乗客が増えたことです。欧米系、アジア系などさまざまですが、その多くは観光客のようで、特に京都で乗り降りする外国人が以前より目立ちます。

東京と大阪を毎週往復するのは疲れる時もありますが、こんな景気ウォッチングを楽しんでいます。もちろん時間帯や日によって違いますから、一概には言えませんが、参考材料にはなります。

皆さんも自分なりの景気ウォッチング法を見つけて楽しんではいかがですか。

*本稿は、ストックボイスHPのコラムに掲載した原稿(7月11日付け)を加筆修正したものです。

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